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チェンマイ福祉研修報告◆タイから学ぶ 地域福祉のこと◆
JUGEMテーマ:海外留学
















(活き活き演奏するデイサービスで出会った高齢者@サンデーマーケット)


おはようございます。
代表の石田です。

最近はお騒がせのタイですが、本来ホスピタリティの高いお国柄です。
今日は、タイの福祉に関する紹介をさせて頂きますね。

私が所属している一般社団法人臨床タイ医学研究会の活動で、「傾聴×タイ式セラピー」という地域の方、福祉関係者の方々に向けた講座を担当させて頂いています。
その関係で、昨年から、NPO法人シニアライフセラピー研究所さん主催の「海外福祉研修ツアー」のお手伝いをさせて頂いています。

今年の9月にもまた、6日−12日迄(現地)にありますので、前回(2014年3月)の研修報告をさせて頂きます。
(わたしは福祉の専門家ではありませんので、自分なりの視点になります。言葉の間違った使い方などありましたら、どうぞご了承ください。)
介護スタッフや障害者施設職員、民生委員の方などの参加と共に。
3月17日−21日、チェンマイ、チェンマイ近郊にある介護、福祉施設を8か所ほど廻らせて頂きました。

結構ボリュームのある研修内容ですが、

タイのホスピタリティ

というものを目の当たりにする貴重な時間となりました。

これまで、タイマッサージを通して、タイという国に触れ、タイのホスピタリティというものを日本に紹介してきたのですが、今までの12年、いったい何をみていたんだろう、というくらい、本当のホスピタリティ精神は、地域の隅々に根付いている、ということが分りました。


それは

地域ボランテイアの数が非常に多い



ということです。

例えば、チェンマイで唯一の公営デイサービスでは、職員さんがほとんどいません。
利用者さんが利用者さんの面倒をみたり、近所の主婦が手伝いにきたりで運営がなんとかまわっている様子。

確か100B程度の登録料を支払うと、永久に利用ができるというシステムで、2014年3月現在で200名ほどの登録者がいるそうです。
国からの支援は、月500Bもなかった気がします。
ちょっとずつの寄付でなんとかまわっているようす。
壁には、今月残金●●Bと書かれていました。

(タイの通貨 B(バーツ)、1B=3.2円 2014年3月現在)

そんな中、私たちが行くと、大歓迎してくれて、カノムクロック(たこ焼きみたいな、ココナッツ味の焼き菓子)をTAKOYAKI と言いながら振る舞って下さました。

















狭い狭い通路の奥にある、小さなデイで皆さん、カラオケを歌ったり、手作業をしたり、私たちに話しかけて下さったり。
お好きなことをされていらっしゃいました。





















皆さんの表情が豊か、という印象が日本のデイと違う感じです。
















(チェンマイの公営デイサービス集合写真)

最初に伺った、こちらもチェンマイ唯一の公営老人ホームでは、住人の皆さんはとても穏やかで、ワーイ(合掌)のあいさつを行うと、にっこり微笑んでくださり、とても平穏な感じです。
100床あるベッドがほぼ全て埋まっているにも関わらず、


徘徊をする方や、暴力をふるったり奇声を上げたりする方はいない
という話がとても印象的でした。



















(公営老人ホームでランチを一緒に頂きました。)


















(作ってくださるのは、やはり地元のボランテイアのおばちゃんです)



そう聞くと、認知症問題で悩みの尽きない地域医療や福祉業界の方々は、一体どうしたら?
と興味深いのでは。
先日、地域医療の勉強会でも皆さん興味津々でした。

もちろん様々な理由があるかとは思いますが、一つは

行動を阻害されない。室内室外関わらず、広い施設内を自由に行動できるすごく解放的な環境、ということがあると思います。
寝たきり病棟は別ですが、基本「べったり介護」をされている方はいませんでした。
パーキンソン病と思われる歩き方の男性も、滑りそうな床に薄い段差のある場所を、自分なりにちゃんと歩いていらっしゃって。

 
安全面が第一の日本では、なかなか考えられない状況かも知れませんし、安全は大切です。
 
それでも。
周りにとって、理解できないような行動に見えても、その人なりに理由があって行動するものですし、それを阻害されるとストレスに感じるかも知れません。(あるいは、不安だからそう行動しているのかも知れませんが。)
 
もう一つは、施設の方のお話によると、環境と人の交流の多さではないかといっていました。
交流が多いのでさみしくない、と。

地元の学生から近所の方から、常に地域ボランテイアの方が来て、お話し相手になり、一緒に何かをやっている。
 
人との関わりやおしゃべりは、心を、そして脳を刺激して活性化してくれるので、人を活き活きさせてくれる大切な要素です。
可能な限りそういう環境づくりができると、今ある状況が変化するきっかけになるかも知れませんね。

しかし、厳しい一面もあります★

タイにはこういった公営の老人ホームは国内でも10か所程度だそう。
厳選に厳選を重ね、本当にお家もお金も身寄りもない方のみ入れるそうです。
そして、もし暴力など困った行動を起こした場合は、容赦なく追い出されるそう。
そのために身を引き締めてるのか、あるいは問題児を追い出すからこんなに平和なのか。。。答えは分りませんが。。。

















(リハビリ室:JAICAの理学療法士 保坂さんが1人で100名と日々格闘されています。
臨床タイ医学研究会では、ここでのリハビリ補助の研修生会員も受け付けています。)




王家の庇護下にあるタイ義足財団にも行ってきました。
















(タイ義足財団)


ここのすばらしいシステムには、本当に感動しました。

まず、

ここで作られる義足は世界各国どこからの注文でも、全て無料なのです。
しかも、職員にはちゃんと給与が出ているそうです。
 
そして、
作っている技術者もまた、義足の方なのです。

彼らがにこやかに、そしてポリシーを持って義足を作っていることで、注文をされるご本人もご家族も安心ですよね。
何よりのココロのケアになるようです。

義足というハンディをおったとしても、この作業所で義足技術のノウハウを学び、地元で開業できる、というシステム。
開業に必要な機械も全て用意してもらえるし、やる気さえあれば、人を支える仕事に就ける。

最後までサポートの行き届いた、よく考えられた循環型のこのシステムは、本当にすごい、と思いました。

わたしも以前は靴作りを行っていたので、懐かしさを感じる作業所でした↓
















(唯一の日本人現地スタッフ 義肢装具士:國吉晃代さん)



生活困窮者のための職業訓練施設にもお伺いし、貴重なお話を伺いました。

















(Baan Sai Than ホーム長 早川文野さんの講話)


タイの生活困窮者で多いのは、山岳民族出身の方と、エイズの方のようです。

早川さんが出会ったエイズの女性達のお話は、かなりショックな内容でした。

家にお金がなくて売られたり。
何かしらの理由で日本にやってきたタイの女性達は、やはりお金を稼ぐ為に売春行為を行うわけですが、日本人の男性にうつされてエイズになり地元に戻ってくるというのです。
もちろん、地元に戻ったとしても食べていく仕事を探すのは困難。
そんな彼女たちとの出会いから、早川さんは生活困窮者の支援に日々奔走していらっしゃいます。

不治の病であったエイズは、今はいい薬が発明されたので、薬さえちゃんと飲んでいれば発病するケースは少なくなったようです。このBaan Sai Than もエイズ患者に限らず、自立した生活を目指す生活の厳しい女性達にミシンの技術をしっかり身に着けるための訓練を行っています。そしてここで注文も受けながら生活の土台作りを頑張っています。

実はわたしも、只今オナモショップの商品のサンプルを注文しています。
少しずつオーダーを増やしていけるといいな、と思っています。
















オナモショップでも商品づくりに携わって頂いています。)

その他、私設の老人ホームや孤児院も見学させて頂きました。


















(クリスチャン系の私営老人ホームDok Kaew Gardensは、もともとハンセン病の隔離施設だったところ。国際色豊かな方がお住まいです。)


































(私営孤児院 Baan Kingkaew Wiboolsanti は90歳を超えるおばあちゃん理事長が、しっかり子供たちを守っています。)


エンカウンターグループ〜幸せについて考える〜



エイズ孤児院で有名なBan Rom Saiにもお邪魔しました。
今、エイズはお薬で発症率が抑えられ、エイズ孤児の数も激減しました。
このバーンロムサイでも、今はエイズに限らず孤児を受け入れているそうです。


隣接する施設、hosihana villegeは小林聡美主演の映画「プール」の舞台になったところです。
バンロムサイで育った女の子もここのスタッフとして働いています。
素敵なコテージで、ここに宿泊し、朝はヨガから始まり、皆で食事を作ったり、ゆっくりと過ごして。

夜は「幸せについて考える」エンカウンターグループを行いました。






























































ここでの最後の夜はコムローイという熱気球に思いをのせて。
出会ったたくさんのホスピタリティ精神が、参加者の心に様々な変化をもたらしたのか。
そして、それを共有したからでしょうか。
あるいは、この開放的な夜が手伝ってか。
年齢も住んでる地域もバラバラですが、皆さんすっかり仲良しに。


タンブンのココロに触れる

タンブンというのは、タイ語で【 ทำบุญ 】 「徳を積む」行為のことだそうです。
お寺にいって、お布施をしたり、寄付をしたり、地域でボランテイアをすることもそのココロから。
仏教国タイには、タンブンのココロが溢れていました。
この研修ツアーを行うにあたっても、現地コーデイネーターさんを始め、サポートの皆様は実費だけでお手伝いしてくださっています。
今回出会った、現地の中に溶け込んで一生懸命課題に取り組んでいらっしゃる日本人の方の活動もまた、すばらしいと思いました。

ホスピタリティとは?

私たちサービス業では、ホスピタリティをおもてなし。という言葉に置き換えることが多いです。
サービスの語源はラテン語のservus(奴隷)でserve(奉仕)などの意味に。
一方、ホスピタリティの語源はラテン語のHospics(客人などの保護)からHospital(病院)などへ発展したようです。
大きな違いは、サービスが一方通行な意味合いをもつのに対し、ホスピタリティは「お互いに幸せであること」が定義なのかも知れません。
思いやりのココロが行動を起こす。そして、相手の喜びが自分の喜びになる、ということで成り立つ関係。
日本の「おもてなし」のココロも、本来そういうものなのかも。

タイ人は気持ちのいいことが大好きで、タイマッサージの目指すところも「お互いの健康」です。
決して一方通行ではありません。
そんな国民性を持つタイ人だから、サービス業の場よりも、むしろ地域の場でホスピタリティが自然に発揮されるのかも。

日本は超高齢者社会。そして介護の問題は大きな課題です。
タイも近い将来同じように悩みをかかえることになるでしょう。
しかし、今現在、日本のような介護保険制度があるわけではありません。
それでも、この地域に根付いたコミュ二ティシステムで、何とかやり切れる感じを受けました。
今後、地域の支え合い、が必要不可欠、と言われている日本で、タイの地域コミュ二ティを肌身で触れることは、きっと私たちに活きる体験になると思います。

次回9月は看護助手学校、知的障害者の作業所、チェンライの教育支援ホームでの子供たちとの交流も予定しています。
そして、山岳民族でのホームステイ。

セラピストや介護福祉分野の方でなくても、ご興味のある方は是非、ご参加くださいね。
学生さんも歓迎です。
ココロに響く経験を、ご一緒できればと願います。

最後までお読みくださってありがとうございます。
出会えたことに感謝をもって。

石田ミユキ

*************************
海外福祉ツアー(チェンマイ・チェンライ)
9/6-12   7日間 参加費70,000円
問い合わせ先:NPO法人シニアライフセラピー研究所
TEL:0466−34−8550
E-mail:info@senior-therapy.org
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